住宅ローンが払えないときに読むサイト/住宅ローンが払えないときにやってはいけないこと

公開日:|更新日:

住宅ローンが払えないときにやってはいけないこと

本ページでは、住宅ローンが払えない・払えなくなった場合に、「やってはいけないこと」を解説します。普段は冷静な人でも、ピンチに陥るとつい安易と思える道に逃げてしまったり、正常な判断ができなくなりやすいもの。勤め先の倒産や解雇、減給などで金銭的に立ち行かなくなっても、目先のことに捕われないようにしてください。

住宅ローンが払えないときのNG行動

専門家に相談せずに自力で解決しようとする

住宅ローンが払えずに苦しい状況になったとしても、自己判断で無計画に行動を起こすのは状況をさらに悪化させてしまう可能性があるのでNG。また、苦しい状況だと冷静な判断もできにくくなっているので、自力で何とかしようとせずに弁護士などの専門家に相談するのが賢明な解決法です。金融機関も住宅ローンの返済相談に乗り出しているため、借入先の金融機関に早めに相談するのも有効な対処法になります。

夜逃げする

住宅ローンの支払いが困難になったからと言って、夜逃げを選んでしまうのは状況が何も改善しないNG行動です。夜逃げは連帯保証人に迷惑がかかるだけでなく、住民票を移せずに住所不定となることで国民健康保険の利用や運転免許の更新ができなかったり、定職につけなかったりと住宅ローンの問題以上の不利益を被ってしまいます。そのため、夜逃げという選択肢は早々に捨ててしまいましょう。

サラ金やヤミ金を利用して当座の住宅ローンを返済する

銀行や信用金庫などの金利は、サラ金やヤミ金よりも低いはずです。それなのに、より負担の増える道に手を出してしてしまっては、より悪い結果を招くだけです。

銀行からの督促が辛いと、この悪循環に陥るケースもあります。人生の再スタートどころか、あっという間に人生の転落危機に瀕することになるので、絶対にやめてください。

サラ金やヤミ金の金利は借金地獄の始まり

住宅ローンの金利は1~数%です。一方、「といち(10日で1割)」や「とご(10日で5割)」など、違法な貸付業者の利率として有名な言葉があるように、そこまで極端でなくとも、サラ金では10%台~20%台の金利がつくこともあります。

つまり、ヤミ金やサラ金でお金を借りることは、さらなる借金地獄へ自分から飛び込んでいくことと同じなのです。

身内・親族・友人などから中途半端な借り入れをする

住宅ローン残高が100万円程度ならば、返済しやすいため周囲に相談するのも一つの手です。しかし、まとまった金額が残っている場合は止めるべきです。当座の住宅ローンを返すために親しい人からお金を借りて回るのは、結局、問題を先送りしているにすぎません。そればかりか、いつまでも返済できないと親しい人達の信用をなくし、その後の人間関係にも悪影響を及ぼします。

返済拒否(音信不通)

借金を返せなくなり、督促が辛くなったからといって、音信不通になることは現実逃避でしかありません。むしろ延滞金が増える上、連帯保証人になってもらった人がいればそちらに督促がいき、迷惑を掛けるだけでなく信頼を損なうことに。また常に誰かから逃げ回ることは、自分自身にとっても大きなストレスとなってしまうでしょう。

生活保護

住宅ローンの返済中に生活保護の申請をすると、生活保護費で個人のローン返済をさせないよう、家の売却を求められます。またその他にも様々な制限が課せられるため、家を手放したくないと考えている人は安易に生活保護の申請をしてはいけません。

住宅ローンが払えなくなったときの解決方法

任意売却

自分で買い手を選べる任意売却であれば、競売よりも良い条件で家を買ってもらえる可能性があります。競売でも任意売却でも、持ち家を手放すことに変わりはありませんが、家を手放した後の人生を考えれば、少しでも良い形で未来へつなげることが大切です。

ただし、任意売却を実行するには債権者(金融機関)と話し合って同意を得る必要があり、住宅ローンの滞納期間が長引いてしまうと、債権者は任意売却の相談に応じるよりも先に、家の差し押さえと競売を実行するようになります。そのため住宅ローンの返済が厳しくなってきたとしても、督促を無視するといった、相手に不信感を抱かせる行動は絶対に避けてください。

任意売却とは?

住宅ローンの返済が滞納した際に、関係する金融機関へ同意を得て不動産を売却する方法です。

住宅ローンを滞納・延滞すると、ローンを分割で返済する権利が失効し、残っている住宅ローンの全額を一括で返済することを要求されます。一括で返済できない場合、金融機関は担保となっている住宅を強制的に売却してお金を回収します。所有者の同意を得ずに担保の売却を行うのが、競売です。競売で住宅を売却すると、所有者は売値の交渉ができません。相場より安い値段で交渉が成立し、借金の全額がなくなるわけではないので、返済は競売後も続きます。そのため競売により住宅を強制売却される前に、任意売却を行うのが良いでしょう。

任意売却の流れ

金融機関から支払いを催促する連絡が来た場合、まずは専門知識を持つ弁護士や税理士に相談しましょう。現状を踏まえたうえで、対策を提案してくれます。

対策が決まれば、不動産価格の査定を依頼。この時、ローンが多く残ってしまわないように交渉を行いましょう。

売却専門家と取引内容を決定したら、物件の売買活動が開始されます。その後買取主が見つかれば、契約が成立。清算が終わると任意売却が完了します。

任意売却のメリット

市場相場に近い価格で売りやすいことが、任意売却のメリットです。任意売却を選択して、少しでも高い価格で物件を売却できれば残債を可能な限り減らせます。

また任意売却の販売活動は、一般の不動産売却と変わりません。そのため、周囲の方に住宅ローンを滞納したことを知られずに売却が可能。精神的な負担も軽減できます。

さらに売却した家に住み続けることが可能な方法に「リースバック」が挙げられます。一度他者に自宅を売却後、買取主に交渉して家を借りるという方法です。取り急ぎは貸家として住み、数年後に買い戻す方法もあります。

任意売却のデメリット

任意売却の際には、連帯保証人に同意を得る必要があります。連帯保証人に拒否された・連絡がとれない場合は、任意売却を申請できません。

また売買取引の際、価格設定で債権者と揉めることも…。任意売却中でも長く売却が成立しない場合は、競売になる場合もあるので、注意してください。

任意売却に限らず、3ヶ月以上住宅ローンを滞納した場合は、信用情報機関に登録される可能性があります。信用情報機関に登録されると、特定の期間金融機関に融資を依頼できなくなることを念頭に置いておきましょう。

借り換え

住宅ローンの返済に困った場合、金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討することも解決方法の1つです。金利が低くなれば返済総額も減るため、現状のままでいるよりも状況が好転することが期待できます。

ただし、明らかに返済能力がないと判断されればローンを組めないため、借り換えは余裕がある内に検討しておきましょう。

借り換えとは?

住宅ローンの借り換えとは、返済中の住宅ローンを一括で返済するために、新しくローンを借りることです。元金にかかる金利が低いローンへ借り換えることで、金利の差額分、月々の返済額を削減できます。

借り換えに迷った際は、借り換えしたい銀行の窓口に相談してみましょう。その時、現在利用している銀行から送られてきた最新の返済予定表を持参することをおすすめします。銀行によっては、公式サイトで住宅ローン返済のシミュレーションツールを提供しているところもあるので、活用してみてください。

借り換えの流れ

借り換え先の候補は、複数選定しておきましょう。万が一審査に落とされてしまった場合、時間のロスは致命的です。新しく借り換え先を探している間に返済が困難になる可能性もあるため、事前に備えておきましょう。

借り換え先が決定したら、事前審査を依頼。無事に審査が通ったら、融資を申し込んで本審査を受けます。その後本審査に通れば、現在ローンを組んでる金融機関に対して、全額繰上返済の連絡をしましょう。全額繰上返済する場合、手数料がかかるケースもあるので、必ず確認してください。

現在の金融機関とは一度住宅ローンの契約をしているため、当然借り換えの手間はかかります。しかし、手続き自体は難しくありません。スピード感を重視して手続きを進めましょう。

借り換えのメリット

借り換えのメリットは、低い金利に切り替えて返済額を減らせる可能性があるということです。また長期固定金利へ切り替えられます。長期でローンの返済を行う場合、変動金利だと数年後は金利が上昇している可能性も…。金利が低いうちに、固定金利に変更したい方は借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

借り換え先の金融機関によっては、現在のローンを組んでいる金融機関よりも団体信用生命保険の保障が充実しているケースもあります。通常、住宅ローンの団体信用生命保険の変更はできません。現在組んでいるローンの保証に不安を感じている方におすすめです。

借り換えのデメリット

借り換えの手続きには、ある程度の時間や手間がかかります。ローンを組んでいた金融機関の解約と乗り換え先の手続きをほぼ同時に行わないといけないので、負担もかかるでしょう。新規での住宅ローンと同様、手続きに必要な各種書類を集める必要もあります。

また乗り換えには手数料がかかることにも、注意してください。費用は借り換え後の住宅ローンに組み込むことで、持ち出し金無しで借り換えることも可能です。しかし手数料が高額な場合、さらに負担が増す可能性も。手数料を計算したうえで、返済額が軽減するかどうかを判断する必要があります。

親子間売買

親子間売買は任意売却の1つで、親もしくは子どもに不動産を売却する方法です。不動産の譲渡ではないため、購入金額を支払う必要があります。売却価格については、不動産会社と相談したうえで決めていくのが一般的。ただし、市場価格よりも売却価格が安いと贈与税が発生してしまうため、親子間売買に詳しい専門家や不動産会社に相談するのがおすすめです。

親子間売買のメリット

通常の任意売却だと、売却後は自宅を退去する必要があります。親子間売買であれば、住み慣れた思い出のある家に引き続き住み続けることが可能。引っ越しの必要がないため、任意売却を選ぶにあたって引っ越し費用の負担で悩んでいる方にとってもメリットの大きい売却法です。

また、親子間売買だと、買い手がみつからずに競売にかけられてしまい、外部に売買情報や経済状況を知られるといった心配がありません。近所や職場の人に知られることなく不動産を売却するなら、親子間売買も視野に入れることをおすすめします。

親子間売買のデメリット

親子間売買で不動産を購入する場合でも、住宅ローンを組んで融資を受けることができます。ただし、家族が結婚などで不動産を購入する際、住宅ローンを新たに組むのが難しくなる可能性もあり。また、金融機関は親子・親族間での不動産売買に対し、原則として融資を認めていません。親子間売買で融資を受けたい場合は、融資に対応した協会や不動産会社に相談する必要があります。

自己破産

裁判所へ「破産申立書」を提出し、「免責許可決定」をもらえば、税金や養育費などを除いて、住宅ローンなどの借金を帳消しにできます。

ただし安易な自己破産はリスクが大きいため、まずは他の解決方法を十分に検討することが必要です。

自己破産とは?

住宅ローンやキャッシングなどの全ての返済義務がなくなる手続きです。「支払い能力がない」「債務超過している」「過去7年以内に自己破産をしていない」といった場合、自己破産を申請できます。ただし、支払不能の原因がギャンブルや浪費といった場合は、免責不許可事由に該当するため、認められないケースもあるので注意しましょう。

また自己破産の手続きは、20万円を超える価値がある車や宝石を所有していると申請できません。該当する所有物は全て手放す必要があります。

自己破産はメリットも多い一方、デメリットがそれを上回る場合もあるため、打つ手がない場合の最終手段だと考えてください。

自己破産するための条件とは?

自己破産を申請できる基本的な条件

  1. 債務者に返済能力がないこと
  2. 債務超過していること

返済能力がないと認められる条件は、現状仕事をしておらず、今後も就業が困難であること。債務超過とは、所有している財産(家や車など)の総額が、借金よりも少ない状態を指します。

また20万円を超える所有物がある場合も自己破産はできません。資産価値がある所有物は、破産管財人によって売却され、返済にあてられます。

自己破産に必要な費用

自己破産には専門的な法律知識が必要なため、多くの場合は弁護士へ依頼することになります。弁護士費用は30~50万円程度。収入印紙代や手続きに必要な予納金の郵便代といった、裁判所への申請にかかる諸費用が必要です。

自己破産の手続きの流れ

まずは、信頼できる弁護士や司法書士を探して依頼します。手続きについて疑問がある場合は、この時に確認しておきましょう。依頼後は、受任通知が送られ、債権者からの請求が止まります。

その後は自己破産申し立て手続きに必要な書類を用意しましょう。書類を元に申立書を作成して、地方裁判所へ提出。裁判所が借金の免除を受託した場合、自己破産が完了します。

自己破産のメリット

返済義務が免除される点が、自己破産のメリットです。直接的な請求や督促も停止します。

一定の条件下での財産の所有は認められていませんが、財産を全て取られる訳ではありません。ベッドや衣類といった生活に必要なものは差し押さえ禁止です。

借金を抱えて返済に追われることに負担を感じている方は、手段の一つとして覚えておいてください。

自己破産のデメリット

自己破産を行うと、多くの財産を失います。20万円を越えるものは全て差し押さえの対象品です。家や車、家電製品など該当する物は全て差し押さえられます。また自己破産を申請した後は、以降の7年間、新たな借金ができません。新しくローンを組む・クレジットカードを作成することはできなくなります。

また申請後の就職に制限がかかる職業があることも覚えておきましょう。警備員や税理士、弁護士など、該当する職業についている方は仕事ができなくなる可能性があります。

加えて、保証人に迷惑がかかる点も注意してください。本人の返済義務はなくなりますが、保証人や連帯保証人の返済義務までなくなる訳ではありません。その点を理解していないと、自己破産の際に保証人とのトラブルに発展する可能性があります。

自己破産したら持ち家と住宅ローンはどうなる?

持ち家を売却せずに、所有した状態で自己破産すると、住宅ローンと家はどうなるのでしょうか?

住宅ローンを含むすべての借金が免責される

自己破産の申請が認められると、すべての借金が免責となります。住宅ローンの残高はもちろん、それ以外の借金も帳消しになる、ということです。

家は破産管財人によって売却される

持ち家がある状態で自己破産を申請した場合、家は破産管財人によって強制的に処分されます。

破産管財人とは、破産者の資産を売却して、その売却金を債権者へ公平に分配する役目を担う人物です。裁判所に任命された弁護士が行います。

注意しておきたいのは、自己破産した場合は持ち家も同様に、破産管財人によって強制売却されるということです。持ち家に限らず、返済のために持てる財産はすべて、破産管財人によって判断されてしまいます。家の競売を避けたい場合は、自己破産の申し立てをする前に、任意売却を行う必要があるでしょう。

自己破産は先に任意売却をしてから

住宅ローンの返済に行き詰まり、最終的に自己破産の申請を行うと決断した場合でも、家を含む不動産については、申請前に任意売却しておくことが重要です。

自己破産を申請する場合、不動産を任意売却して価値がある資産を事前に処分することで、破産の種類を変えられる可能性があるからです。

自己破産の種類には大きく分けて「管財事件」と「同時廃止」があります。「同時廃止」だと判断された場合、予納金や管財人との手続きが不要となり、自己破産にかかる負担を減らせるでしょう。

自己破産における「管財事件」と「同時廃止」の違いは?

「管財事件」と「同時廃止」は、自分で選べるものではありません。裁判所によって決定される2種類の自己破産の違いを解説します。

管財事件とは?

自己破産の申立人が不動産や預貯金といった資産を所有している、または個人事業主・企業の代表者などである場合、自己破産は「管財事件」として扱われます。

破産手続きは、破産者ではなく裁判所が任命する破産管財人によって進められます。所有する資産はすべて返済にあてられて、破産者の権利はありません。裁判所への予納金や管財人との手続きなど、さまざまな対応が発生します。

同時廃止とは?

同時廃止として扱われる場合は、処分するべき資産が存在しないため、裁判所から破産管財人は付けられません。資産調査や処分がないため、破産手続き自体もそのまま終了となります。

打ち合わせや予納金は発生せず、持ち家の競売も避けられるため、メリットは大きいと言えるでしょう。

ただし、自己破産時に資産がないからといって、必ず「同時廃止」と認定されるわけではありません。複雑な事情があると判断された場合は「管財事件」として自己破産手続きを進めることになるでしょう。管轄の裁判所によっても大きく判断がわかれるので、申請する前には制度の内容をよく理解することが必要です。

「自己破産」手続きは
あくまで最終手段

もうひとつすべきでないこととして「任意売却の前に自己破産手続きをしてしまうこと」が挙げられます。任意売却は住宅ローンが払えない場合に取るべき有効手段です。

一方、任意売却の前に自己破産手続きをしてしまうと、地方裁判所が破産管財人を選任し、管財人により資産の売却等がされますので、任意売却より多くの資産を失う可能性もあります。また申し立てから免責が確定するまで3~4カ月程度かかります。

住宅ローンは払えなくなった場合、まず行うべきは任意売却の手続きです。その上で、それでもまだ借入金の返済が完了できず、返済の目処も立たないという場合になってはじめて自己破産、あるいは個人再生という手段に進むべきです。

住宅ローンが払えなくて自己破産が
必要な場合

住宅ローンが払えなくなり、自宅を任意売却しても返済のめどが立たない場合は自己破産によって債務を解消できる可能性があります。しかし自己破産にはデメリットがあるのも確かです。まずは詳細について正しく把握しておきましょう。

サイト監修

東京スカイ法律事務所田中弁護士の画像

東京スカイ法律事務所田中 健太郎弁護士

早く相談していれば良かったと
たくさんの声をいただいています

住宅ローンの支払いが困難になり、お悩みの方のために、東京スカイ法律事務所では任意売却のご相談を何度でも無料で受け付けています。「こんなこと聞いてもいいのかな?」といったことなど、どんな内容でもかまいませんので、お気軽にご連絡ください。皆様の住宅ローンに関する悩みを解消できるよう、誠心誠意ご対応いたします。

経歴

平成18年司法試験合格。平成20年から弁護士として大手弁護士法人に勤務し、平成23年9月東京スカイ法律事務所を設立。司法書士、宅地建物取引士の試験にも合格している不動産案件のエキスパート。不動産会社と提携し、任意売却に関する手続きをワンストップで対応しています。

東京スカイ法律事務所の田中弁護士に
無料で任意売却の相談をしてみる

東京スカイ法律事務所に
電話で問い合わせる

【監修弁護士事務所】
東京スカイ法律事務所の
任意売却にかける思いとは

詳細を見る