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家族が住宅ローンを払えなくなった
親や子供が契約者となって住宅ローンを組んでいて、大幅な収入の減少や失業などによって払えない状態になることがあります。最近では2世帯が居住する住宅も少なくありませんが、家族が住宅ローンを払えなくなった場合にはどう対処すればいいのでしょうか。
親や子供など家族が住宅ローンを払えなくなるとどうなる?
家を差押えられ競売にかけられる
親や子供が住宅ローンを払えない状態が数ヵ月続くと金融機関は裁判所に申立てを行うことになります。裁判所が申立てを認めれば、家族にその意思がなくても家を差し押さえられ強制的に競売にかけるための手続きが進められます。
競売物件に人気が集まるのは市場価格よりもかなり安値であるからです。裁判所は不動産鑑定士に依頼して家の価格を査定させ、その額を最低売却価格として売り出すことになります。
近所や会社の人に知られ強制退去させられることも
競売が確定すれば退去せずにはいられなくなります。それだけでなく、競売に出ていることが広告やネットに表示され、近所や職場にも事情が知られてしまうことになります。また、安値で売り叩かれてしまうため、売却できても住宅ローンの全額が払えない状況やその後の生活が破綻してしまうリスクもあります。これらのことから競売は得策とは言えないでしょう。
親・子どもの家を競売させないためには
住宅ローンが払えない状態が継続すれば、最終的には強制的に持ち家が競売にかけられることになります。親と子供が同居している場合、別居している場合を問わず、家族にとって思い出の家が競売にかけられるのは耐えられないでしょう。親・子供の家を競売させないためにはどうすればいいのでしょうか。
親と同居している場合は親子間売買という方法
親と子供が同居している場合で親が住宅ローンを払えない状態になった際に、子供が家を買い取る親子間売買という方法があります。親子間売買はその名の通り、親子の間で不動産を売買することであり、新たに購入する子供が新規の住宅ローンを組む必要があります。専門家に親子間売買が可能かどうかを相談することが重要ですが、それをせずに金融機関に融資を依頼することで親子間売買が成立しないことも少なくありません。
一般的にほとんどの金融機関は、目的外に悪用される可能性もある親子間や兄弟姉妹間の売買に対する融資を行いません。そればかりでなく、一度融資を申し込んで断られた履歴は個人情報として半年間残るため、他の金融機関で融資を受けることもできなくなってしまいます。早めに弁護士などの専門家に相談することが大切です。
どうしても支払いが困難な場合は任意売却という選択肢も視野に
親や子供などの家族が住宅ローンを払えない状況になると、すぐに差し押さえ、強制競売などをイメージすることもあるでしょう。払えない状態が続けば最終的にはそうなりますが、任意売却という方法で競売から家を守ることができます。競売では裁判所が介入して市場価格よりもかなり安い価格で売り出されることになります。
一方、任意売却では一般の不動産売買と同様に市場価格に近い価格で売却することが可能です。また、持ち家を売却しても住宅ローンが残る状態であっても債権者の合意を得て売却することができます。
競売では住宅ローンが払えなくなった状況を近所や職場に知られてしまう可能性がありますが、任意売却ではその心配もありません。住宅ローンが払えない場合は、家族でじっくりと話し合って任意売却も検討してみてはいかがでしょうか。
今後家を出る予定がある場合の任意売却
住宅ローンが払えない状況が想定される、または実際に払えない状況で、同居している子供が就職や結婚などを理由として、家を出る予定がある場合も考えられるでしょう。独立する子供も家賃や生活費が必要となるので親へ送金することも難しくなります。
家族の思い出が詰まった家なので、そのまま親が住み続けたいという思いも強いでしょうが、住宅ローンが払えない状況では最悪の場合競売にかけられることになります。
一方で、夫婦2人だけなのに無理してローンを払い続けながら広い家に住み続ける必要があるかという疑問もあるでしょう。子供にも売却して少しでも生活が楽になった方がいいのではないか、何とか住み続けて欲しいなど、さまざまな意見があります。
家族でじっくりと話し合う必要がありますが、借金問題や相続問題などが絡んでくることも多いため、弁護士などの専門家を交えて冷静に話し合う必要があるでしょう。
親と別居している場合の任意売却
子供が親と別居して遠くに居住している場合、親が住宅ローンを払えない状態になるのではないかと不安になって、弁護士に相談することも多いようです。親や実家のことが心配であることは言うまでもありませんが、借金や家の問題が子供の自分の身に降りかかってくることの不安もあるでしょう。子供に心配をかけまいと、具体的なことは何も話さない親であればなおさら心配になります。
子供の立場でどんなに心配であっても現在居住しているのは親であるため、親の意思を確認することが必要となります。残りのローンがいくらで完済の見込みがあるのかどうかを含めて、家族間で具体的な話し合いをし、任意売却を検討してみてください。
サイト監修

東京スカイ法律事務所田中 健太郎弁護士
ご家族で家を売却するかどうか
じっくりと話し合いをしましょう
自分が生まれ育った家を売却するのはとても心苦しいと思います。すぐに任意売却の決定もできない のではないでしょうか。ここはじっくりとご家族でじっくりと話し合いをすることをおすすめします。その上で、任 意売却に関してご相談がございましたら、何度でも無料で受け付けています。大切な家のため誠心誠意ご対応いたし ます。